遅ればせながら
録画していた『君の名は。』を見ました。
正直な感想としては、「雲のむこう 約束の場所」のストーリーの方が好みでした。
劇場で見た後、DVDも購入したほど。
ですが、『君の名は。』も十分に楽しませて頂きました。
前半は、結構笑いました。
作品としては、現代版「織姫と彦星」。
そして、新海監督は、記憶が薄れる、消えていくという過程がとても好きなんですね。
「雲のむこう・・・」ですでに体験済みだったので、少し衝撃が弱かったのかもしれません。
確か、「雲の・・・」の時も、名前だった気がします。
桜を描かれるのも好きなので、儚いものに惹かれる感性の持ち主なのかもしれませんね。
”名前と記憶”を題材にした作品は、ヒットする傾向にあるのかも。
浦沢直樹の「MONSTER」も、個人的には”名前と記憶”を題材にした作品で、好きな作品の1つです。
この作品が、若い方たちの間で絶大な人気が出るのもうなずけました。
私は、社会人になって10年以上経つので、設定に馴染むために少し記憶を掘り起こさなくてはなりません。。。
やはり、現状とシンクロ率が高い層に受けるのは、必然ですね。
掌に、名前じゃなくて「好きだ」って書いてあるあたりも憎い。
最後のシーン直前で、目が合って電車から駆け出すあたりは、ジブリ作品「海がきこえる」の最後のシーンを思い出していました。
この作品は、おススメなので良かったら見てみてください。
あと、見終わって少し残念だったのが、後半の臨場感と緊迫感が少し薄かった点。
前半は、結構笑いました。
後半は、細田守監督の「時をかける少女」のように、画面に向かって「いっけーーーーーーーーーーー」と叫ぶほどのめり込めなかった。
これは、新海作品に共通して感じる点かもしれません。
なぜでしょうかね。
キャラクターの内面へのアプローチが、少しゆるいんですかね。
作品全体として、少し”さめてる”感じがするからかな。
宮崎世代としては、もう少し”えぐる”感じが欲しいのですが。
漫画版「風の谷のナウシカ」は、そこらへんが絶妙な漫画史に残る傑作だと思っています。
死ぬ前に1度読んでみて損はないと思います。
あと、宮崎駿監督や細田守監督は、女性キャラに男性的要素を入れるのが上手い?好き?、
逆に新海監督は、男性キャラに女性的要素を入れるのが上手い?好き?だからかな。
私は、根底に少し古びた男臭さや男気が流れている作品が好きなので、結局は宮崎作品や細田作品に惹かれるのだ思います。
新海作品にも流れてはいるのですが、私が好きな感じとは少し違っている気がします。
これは、好みの問題ですね。
それか、これがジェネレーションギャップってやつか。。。
新海監督が、どこかのインタビューで「セリフは、村上春樹さんを意識している」と仰られていたので、
それが少し影響しているのかも。
村上春樹さんの作品は、何冊か読ませて頂きましたが、私には少し合いませんでした。
唯一、『ねじまき鳥クロニクル』は大好きです。
そんな感じで、今夏公開予定の「未来のミライ」(細田監督作)と製作開始した「君たちはどう生きるか」(宮崎作)まで少し時間があるので、
飛騨高山あたりに出かけてみようかな。
って、すっかりハマっとるやんけ!
では、皆様も素敵な休日をお過ごしください。